2009年12月15日火曜日

「NFカルチャー・ライブラリー」について。

暫く、ブログの投稿をお休みいたしておりました。

“どうしたのだ、ネタ切れか?”

というご指摘を受けました。

確かに、ブログはお休みいたしておりましたが、「カルチャー・ライブラリー作成活動」は休んではおりませんでした。

「映像・録音」を添付しての「NFカルチャー・ライブラリー」なるものに専念いたしておりました。

「映像・録音」を伴うものは、ブログは不適切ですから、もっぱら同好の方だけにお貸しする形式のものにした次第です。

いろいろと手を拡げました。

大物としては、「池波正太郎の江戸古地図散歩から拡がる『私のふるさと・下町』の世界」その1~3です。

その1は、「江戸古地図散歩」に導かれて、「長唄・吾妻八景」と「広重の木版画・名所江戸八景」とをドッキングさせ、隅田川河畔(私のふるさと・柳橋~吉原付近)を辿りました。

その2は、「グルメ」の池波さんにあやかって、柳橋を中心とした「下町グルメ」を映像で辿りました。

その3は、「上野・鈴本」の“文楽の「よかちょろ」”から端を発した「落語の世界の録音」と「歌舞伎座さよなら公演」を機にして「歌舞伎の世界の映像」を添付しての記述です。

材料集めから完成まで、約1年かかりました。

次なる大物は「忠臣蔵の世界」です。

先ずは、「仮名手本忠臣蔵(歌舞伎版)」と「元禄忠臣蔵」の映像と13冊の関連書籍を熟読しての記述を、12月14日の「討ち入り記念日」を完成日と定め、予定どおり達成いたしました。

次に予定しているのは、「文楽版・仮名手本忠臣蔵」と「落語版・仮名手本忠臣蔵」です・

その他、『「落語と歌舞伎の粋な仲」の世界』なるものも「文七元結・髪結新三・牡丹灯篭・義経千本桜(忠信編)・らくだ」を「歌舞伎は映像」「落語は録音」で作成いたしました。

その他、「音楽もの」もございます。

「布施明(カバーものを中心に)の世界」「岩崎宏美と平原綾香の世界」「サラ・ブライトマンの世界」「JAZZ PIANO TRIOの世界」「徳永英明(カバーものを中心に)の世界」「秋元順子の世界」「高橋真利子の世界」「榎本健一(エノケン)の世界」がございます。

邦楽関係では、「富崎清翁の世界」「清元・志寿太夫の世界」「竹本住太夫の世界」「鶴沢清治の世界」がございます。


以上、決してサボッテはおりません。

もし、見てやろうと思し召めていただきましたら。

下記、Eメールにご用命ください。


です。

2009年5月17日日曜日

「男の料理」相撲部屋の鰹のたたき

大相撲夏場所も今日は中日です。
そこで、どの相撲部屋でも食べている「鰹のたたき」をご紹介いたします。
これも、先々代大山親方直伝の「ちゃんこ」です。
非常にやさしく失敗しようのない料理ですし、「鰹」が苦手の方も“鰹ってこんな美味しい魚だったんだ”と云われる方が多くいます。
是非お試しください。
「鰹のたたき(相撲部屋風)」
《材料》4人分として
鰹の刺身             半身(4分の1を2本)
万能ネギまたは長ネギ     《作り方をご参照ください》
生姜                       〃  
酢(ミツカン穀物酢)              〃
醤油                       〃
大葉                       〃
茗荷                       〃
ニンニクのすりおろし(好みで)        〃
《作り方》
① 「鰹」に、金串を3本“扇形”にうち、塩を適当に振りかけ、ガス火で“いぶし    焼き”にします。(表面が灰色になる程度)
なお、金串が無い場合は、テフロン加工のフライパンに油をひかないで焼いても結構です。
② あらかじめ、用意しておいた「氷水」に浸け冷やし(あまり長く浸けないように)荒熱を取り、キッチンペーパーで水気をとり、刺身より厚めに(ダイナミックに)切ります。
③ 「バット」または「厚みのある皿(5cm程度)」に斜めに並べ、その上に“細かく刻んだ「生姜」「ネギ」”を「鰹」が見えない程度に乗せます。
④ ③に「酢」を“ひたひた”になるまでかけ、手のひらで軽く“たたき”、容器をサランラップで包み、冷蔵庫に3時間程度入れて置きます。
⑤ 3時間程度経過したら、サランラップを開け、「醤油」を“彩り”と“醤油味がする”程度(「醤油」は程々にするのがポイントです、召し上がるときに足りなければ各自足してもらいます)にかけ、容器をゆすって、「酢」と「醤油」が全体に行き届くようにして、再びサランラップで容器を包み冷蔵庫に入れて置きます。
⑥ 食事の時(⑤から2時間程度経過した頃から味が行き届きます)に、冷蔵庫から容器を出して、「茗荷」「大葉」の刻んだのを表面に振り掛け食卓に出し、各人に取り分けます。
「付け汁」をたっぷりかけてください。
⑦ 取り分けたものに、“好みで”「ニンニクのすりおろし(チューブのものでも結構)」を入れてください、風味が増します。

以上です。
味付けが「酢」が主体で「醤油」が補助程度なので難しくありません。
ポイントと云えば、“いぶし焼き”です、見本としてはスーパーの刺身コーナーで“いぶしてある鰹”が並んでいます。
しかし、それはお買いになってはいけません。
ご自分で“いぶし焼き”をされた場合の“焼いて炭素化”したのが「酢」と程良く混ぜ合わされ「鰹」の臭みが抜け、「程良い風味」を味わえるからです。
先々代大山親方に教えていただいた時は、松葉を焼き、その煙で“いぶし”ましたし、松葉が無い都会では藁に水をかけ燃やしその煙で“いぶし”をするように教わりましたが後々まで鼻の穴が臭く弱りました。
因みに、残って冷蔵庫に入れたものを翌日召し上がると一段と美味しくなります。
その「汁」を温かいご飯に掛けるとなかなかの美味です。

2009年3月18日水曜日

〖NFカルチャー・ライブラリー〗
               『仏 像』
『仏像』については、学生時代から関心がありましたのでいつかは本格的に学びたいと思っておりましたが、〝そもそも論〞から入る悪癖でなかなか着手できませんでした。
「仏像」とはなんだろう。
「仏像」の歴史。
「仏様」の位。
等々からです。
ところが、2008年11月末、「京都セミナー出張」の合間に久方ぶりに「永観堂」に紅葉を見に行った折、売店で購入した『みかえりの阿弥陀』の写真が〝きっかけ〞になり、『みかえりの阿弥陀』について調べてみたくなりました。
帰宅後、川口図書館で「京都の仏像」を所見したところ、実に入り易く〝そもそも〞から入るのはナンセンスと気づきました。
さらに、大好きな『弥勒菩薩』関連の書籍を所見して、ますます、その思いを強めました。
そこで、関連書籍から抜粋して作成したのが次のレポートです。
難しいことは、抜きにして可能な限り絞りました。
『みかえりの阿弥陀』について。
『半跏思惟の像』について。(弥勒菩薩像の導入として)
『広隆寺の弥勒菩薩像』について。
『中宮寺の弥勒菩薩像』について。その1
『中宮寺の弥勒菩薩像』について。その2
の5編です。
映像として、『国宝 弥勒菩薩 広隆寺・中宮寺』
です。
私のベットサイドには『みかえりの阿弥陀像』『広隆寺・中宮寺の弥勒菩薩像』のお写真が飾ってあります。
〝やすらぎ〞を感じさせていただいております。
以前から飾ってあるお写真もありますが、このレポート作成により、見る眼が違ってまいりました。



「仏像」関連映像
今回のレポート作成で、以前録画していた「仏像」関連の映像(ビデオテープ)があることを思い出しました。
「夢の美術館 うるわしのアジア 仏の美100選」です。
5時間ものなので全部を見ておりませんでしたので、ダビングをしながら見ました。
大変な「お宝映像」で、これだけでも「仏像」についての知識を豊富に得られることを思い知りました。
「仏像」に対して、誠に失礼ながらベットに横たわりながら(時にはうたた寝をしながら)拝観できるのです。
〝映像マニア〞の私が更なる拡充を試みるのは容易いことです。
年末・年始だけで次の映像を録画いたしました。
「にっぽん心の仏像~知られざる仏~50選」
「浄土が地上に現れた 復元 宇治平等院」
「平成古寺巡礼 空海の大いなる遺産~京都・東寺~」
「東大寺・よみがえる仏の大宇宙」
「薬師寺・白鳳伽藍の一年」

ご関心がおあり方は、お申し越しください。

2009年3月10日火曜日

2009年3月1日日曜日

「男の料理レシピ」

「男の料理」の原点。
 お陰さまで、3通のブログに対して有難いレスポンスをいただきました。
 中に、「男の料理」についてのみ記述してみたらというものがいくつかございました。
 そこで、遅ればせながら「私の男の料理」のそもそもを記述させていただきます。
 
 私の学生時代から可愛がっていただいた、大相撲の先々代大山親方から「ちゃんこ」を直伝でご教授いただいたのがスタートです。
 先々代大山親方の現役時代の四股名は「関脇 高登」とおっしゃる方で“今、雷電”と綽名された名力士でしたが、お怪我で「大関・横綱」まで昇進されませんでした。
 ご自身は、神風さん・玉の海梅吉さんらと「NHKの相撲解説」の先駆者のお一人でした。
 お弟子さんには、“ぶちかまし一筋の大関 松登”がいます。

 学生時代の夏休みに借りていた鵠沼の家に、ご一家で「二泊三日」お遊びにこられたとき、“どうだ、お兄ちゃん「ちゃんこ」を覚えたいか”とおっしゃっていただいたのがきっかけです。
 「鍋もの」を4種類、「鰹料理」を2種類、正に“手取り・口うつし(口伝)”で教えてくださいました。
 それまでは、「高砂部屋」で“朝稽古”を見学した後、「大山部屋」で「ちゃんこ」をご馳走になったり、3月の春場所には、大阪の「大山部屋宿舎」に合宿させていただき、力士達と「ちゃんこ」をご一緒させていただくのが習慣となっておりましたので、「味」はしっかりと舌に馴染んでおりました。

 今回の「男の料理レシピ」は、鵠沼で特訓を受けた一つです。
 そして、「明治生命保養寮」で開催した「ご夫婦参加の二泊三日のライフプラン・セミナー」の二日目の夕食時に、ご主人方に無理矢理味付けしていただいた「鶏の塩炊き」です。
 したがって、このレシピは、全く炊事をされたことの無いご主人のための“懇切丁寧”なものです。

                   「鶏の塩炊き」
(材料)4人分として
 鶏肉         皮付きのモモ2ブロック入り1パック
 豆腐         木綿でも絹でもお好みで1丁
 ニラ         1束
 キャベツ       半分
 モヤシ        1袋
(調味料)
 食塩
 家庭用テーブル胡椒
 醤油
(材料の下ごしらえ)
 鶏肉
  ① 「まな板」の上に“皮の面を下にして”置く。
  ② “身に包丁を入れ”、“身を皮から剥がす”。
  ③ “身を一口大に切る”。
  ④ “皮は、大きいままにして置く”。
 豆腐
  “水切りして、適当な大きさに切って置く”。
 ニラ
  “根に巻いてあるブルーのテープを切り取り”、“10cm大位に切り”、“水洗いをしてザルにあげて  置く”。
 キャベツ
  “「まな板」の上に、半分のキャベツを、表側を下にして置き、三角形になっている芯の部分を切り取   る”、“芯を取ったキャベツを適当な大きさに切り、水洗いをしてザルにあげて置く”。
 モヤシ
  “袋から出して、水洗いをしてザルにあげて置く”。
(調理方法)
 ① 「大きめの鍋」に水を入れ、“鶏肉の皮をその中に入れて”、“火にかけ、ダシをとる(煮沸してくる   とアクが出るので、掬い取る)”、“皮は、冷ましてから網焼きにして小さく切り、キュウリの薄切    りと混ぜ、「味ぽん酢」をからませ、「白ゴマ」を振りかけて「箸休め」にする”。
 ② 「土鍋」に“ダシ”を入れ、卓上の「ガス器」に乗せ、「土鍋の蓋の穴」から湯気が出てくるまで煮沸
   させる。
 ③ “食塩”を小匙3杯と少々入れ、煮沸させて、味見をする(遠くの方で、塩味が感じられる程度)。
 ④ “醤油”を、“色づけ程度”に入れる。
 ⑤ “胡椒”を小匙3杯と少々入れ、手早くかき混ぜる(胡椒が、固まるため)、煮沸させて、味見をする   (好みの味で良いが、少々辛目でも野菜類の水分で適当な味加減になる)。
 ⑥ 「大皿」に盛り付けてある材料を、鶏肉・キャベツ・豆腐・ニラ・モヤシの順で、「土鍋」に入れて、   煮る。
 ⑦ 「土鍋の蓋の穴」から、湯気が出るようになったら、出来上がり。
 ⑧ 「小鉢」によそい食べていただくが、「ゆず胡椒」を好みで入れると“一段の風味”がある。
(その他)
 ① 「具」を食べ終わった後は、「雑炊」にしても良く、「うどん」「餅」を入れて“仕上げ”とされると  良い。
 ② 「雑炊」の一例としては、「鍋の味付け」はそのままで、ご飯を入れ、「土鍋の蓋の穴」から湯気が出  るまで煮て、「ガス器」の「火」を止め、予め“溶いて置いた生卵2個分”を“サットかけ流し”、「土  鍋の蓋」をして、“卵が半熟状”になったら、「茶椀」によそい「味ぽん酢」を好みでかけで食べる。
 ③ なお、「茶碗」によそう前に「小葱の微塵切り」を入れると、“見た目・風味”が増す。
 ④ 季節によるが、「京のしば漬け」を刻んでかける混ぜるのも“乙”。
(後片付け)
 「男の料理」の奥さんの評価は、「後片付け」の有無で決まる。

 「セミナー後のお礼状」には、“試しました”“試してくれました、有難うございました”というご夫妻か らのものが多くございましたし、年賀状の添え書きに“作ってます”というのがございます。

 大変長くなりましたが、“そもそも”で記述しなければならないことが二つあります。
 一つは、すでに、30数年来のお付き合いをさせていただいている成城学園前の「諏訪陶右衛門のご主人」から“包丁の手ほどき(築地市場で包丁の見立てもしていただきました)”を受けたことです。
 このことが、“私の男の料理の自信”になっております。
 「諏訪陶右衛門」さんは、「蕎麦懐石」のお店で、古くは「石原裕次郎さんご夫妻」、現在は「小沢征爾さん・征悦さん父子」「戸田菜穂さん」等が通われている名店です。
 私の「茶道の兄弟子」ですし、現在「増田屋(お蕎麦屋さん)」を仕切っておられる「姪御さんの加代さん」は、「茶道の師範代」です。
 二つ目が、定年直後に始めた「益子の陶芸」での月一度のお稽古日の昼食を“私の新しい料理レシピ2種類”で「陶芸家ご夫妻」と楽しんでいることです。
 元々、「私の陶芸の動機」が、「魯山人気どり」の“自分の作る料理を盛るための器づくり”だからです。
 それによる「レシピの数」は、40枚が入るファイル4冊に及んでいます。
 これの源泉は、「相撲部屋」と「セミナーのパートナー」と「親友の奥さん」からです。
 ここに、改めて、御礼申し上げます。 

 自慢話めいた記述で恐縮です。
 ご寛容ください。

2009年2月16日月曜日

「男の料理レシピ」

「アン肝の紅葉おろしポン酢」
 毎週2~3回は通う整形外科の近くに中型スーパーがあります。
 ここの「鮮魚コーナー」は、種類・数量とも少ないですが、“おやっ”と思わせる品が無雑作に並んでいます。
 ここのところ、気になって仕方がなかったのが「アン肝」です。
 寿司屋等の「つまみ」で、「あんこう鍋」で、賞味している「アン肝」を自宅で調理したことはありませんでした。
 “真冬のアン肝”は、好きな人には“堪えられない味”です。
 店の人に、“どう、作ったらいいですか”と尋ねたら、“酒蒸しにしてポン酢で食べるか、鍋だね”と教えてくれました。
 生憎、「あんこう」自体が無かったので、“紅葉おろしポン酢”に挑戦してみました。
 ① 「肝」をよく洗い、「塩」と「酒」を振って、しばらく置きます。
 (鮮魚類の蒸しものを作るときは、「酒」で生臭みを消し、「塩」で身を引き絞め、味をしみ込ませること。
 そして、蒸す直前では仕上がりがぼやけるので、事前に振って置くことだ。
 と、本で読んだことがありました。)
 ② 3~40分たったら、「肝」をアルミホイルで包み、熱しておいた「蒸し器」の中に入れ、2~30分蒸します。
 ③ 蒸し上がったら、冷まして、出来上がりです。
 ④ 「アン肝」を、1センチ位の厚さに切り、「小鉢」に入れ、「紅葉おろし」と「小葱」を散らし、「ポン酢」をかけて食べます。

  蒸す前は、“肌色だった”「アン肝」が、“オレンジ色の大理石のような模様”になり、そこに“葱の 緑と紅葉おろしの赤”が入りますから、“とても、華やかな小鉢”になります。
  食べると、“こってりしている割り”には“しつこく”ありません。
  蒸すことで、“脂”が抜けていますし、「ポン酢」と「紅葉おろし」で、口がさっぱりするからでしよう。

  因みに、この「アン肝」。
  「お買い得品表示」で、354g,424円でした。

2009年2月2日月曜日

「味覚歳時記」と「男の料理レシピ」その2。

「味覚歳時記」

《初午》

“伊勢屋、いなりに~”と云いますが、大江戸の巷々の至る処には、庶民の現世のご利益の願いを込めて、稲荷社が勧請されています。

今日でも「初午(今年は2月6日)」の頃、木枯らしの絶え間に、稲荷太鼓の音が往実日の風情を伝える如く聞こえてきます。

“油揚げを稲荷”というのは、祭神の食物神、倉稲魂神(ウカノミタマノカミ)へ、日常、手近な食品である油揚げを供物としたからで、狐の好物であるというのは如何なものでしょうか。

植物油と大豆蛋白から成り、保存の利く油揚げは、夫々の嗜好に随って、調味料を自在に煮含ませることができる庶民の御馳走でありました。

更に大発明は「稲荷寿司」であります。

食酢をうったご飯を、油揚げで包み、大抵は、武蔵野の産物である牛蒡や人参等の根菜を、刻んで、入れてありますから、栄養完備の保存食、携行食として、重宝至極であります。

江戸っ子は、「稲荷寿司」や「干瓢巻き」を、お茶うけやお酒の肴にする位ですから、まさに、江戸庶民の「食文化の精華」と申すべきでありましょう。

ところで、数多の稲荷社に、供物とされた油揚げや卯の花(オカラ)、そして、稲荷寿司は、本当は、誰の口に入ったのでしょうか。

恐らくそれは、狐などではなく、各地から流れてきた、いわば無宿渡世の人々、食と職に窮した糊口を、しばしば慰めたのではないでしょうか。

落語「コーフィー」では、飢じさに店先のオカラに手を出すクダリがあります。

それを思うと、稲荷社に供えられた一枚の油揚げには、江戸八百八町の人々、特に年配の女性達の敬虔な信仰心と、やさしい、温かい心根が込められているように感ぜられるのであります。


一方、全国稲荷社の総本社ともいうべき、京都の伏見稲荷社は、秦公伊品具(ハタキミイログ)が和銅四年(711)正月午の日に創祀したとのことで、その昔、鶉の名所であった深草の里に鎮座されております。

近来は、一帯の竹藪に群集する寒雀の声が喧々たるのみですが、境内の茶店では、この雀の焼き鳥の香りが、如月の寒空に漂い、その前を素通りし難い心地となる塩梅であります。

焼き鳥やおでんを肴に、伏見の銘酒を熱燗で聞こし召し、蒸し寿司で暖をとる参詣客の姿に、ここにも、庶民のささやかな楽しみとやすらぎを見出すものです。

「男の料理レシピ」

《諸情報》

(稲荷ずし)

稲荷ずしは、各家庭でも簡単につくられ、そのご家庭の味も独自性がありよろしいものです。

ここでは、敢えて「東京っ子のおすすめ いなり寿司」を情報として掲載いたします。

「おつな寿司」

なんと、油揚げが裏返し、頬張ると上品なうす味の揚げの中から、ごはんとともに柚子の香りがほんのり口中に広がります。

「志乃多寿司」

明治の初め、すし大好きの武家の息子が始めたもの、サンショやはす入りのおいなりさん。

(油揚げ)

「京都四条の近喜の揚げ」 新宿高島屋地下全国うまいものコーナーにもあります。

ちょっと焦げ目がつく程度に焼き、粉鰹節と刻みねぎを少々ふりかけ、醤油をたらして、熱いうちに召し上がってください。

寒い夜、熱燗のお肴として「乙なもの」です。

《水菜鍋》 お肴・いなり寿司の取り持ちとして

(材料 4人分)

水菜または壬生菜         2束

京風油揚げ             1枚

または東京風油揚げ        2枚

合鴨の抱き身            1枚

酒                   2分の1カップ

味醂                  大匙2杯

薄口醤油               大匙5杯

だし汁                 水1.5リットル、だし昆布15cm,削りカツオ20g

(作り方)

① 水に昆布を浸して30分位置き、火にかける。  

   煮立ったら昆布を除き、削りカツオを加える。

再び、煮立ったら火を止めて、晒す。

② 酒・味醂・薄口醤油を加え「汁」を作り、土鍋に移す。

③ 水菜または壬生菜は、根元をよく洗い、6cm位の長さに切る。

   油揚げは、熱湯をかけて“油抜き”をしてから2cm幅に切る。

   合鴨は、薄く“削ぎ切り”にする。

④ 食卓に土鍋を持ち出し、汁が熱くなったら、まず、合鴨を2~3切れ入れて、色が変わったら、すぐ     

   に食べる。

   後は、次々に好みの材料を入れて、煮え過ぎないうちに食べる。

参考  「いなり寿司」を食べない場合は、茹でた蕎麦かうどんを入れて食べると美味しい。


《作成後の感想》

「その1」の時もそうでしたが、「味覚歳時記」を抜粋させていただいていると、山田さんと語り合っているような気持ちになります。

食べ物の紹介だけではなく、山田さんの優しさが行間に溢れ、ほのぼのとしたものを感じる至福を得ます。

「食に関する感覚」も掲載したら、という難しいご意見を頂戴しました。

ご期待に沿えるかどうか不安ですが、恥の掻きついでに掲載させていただきます。

「いなり寿司」は、正に、庶民の味だと思います。

「油揚げ」の“ほど良い油味とほの甘さ”と「寿司めし」の“甘酸っぱさ”が、なんともいえない親しみを感じさせてくれます。

名店のものは、それなりに。

我が家のものは、我が家なりに。

「京都の油揚げのちょっと焼き」は、品の良い、油っこさを感じさせない、正に“京風味”ですが、決して“贅沢な味”ではありません。

“庶民的で、うれしい味”とでも申しましょうか。

「水菜鍋」は、“あっさり感”の“ダイエット鍋”と位置付けています。

今回は、こんなことでご勘弁を。














































②   


2009年1月28日水曜日

「味覚歳時記」と「男の料理レシピ」その1。

この「味覚歳時記」は、「ないすらいふ古代史と美術の会」で親しくさせていただいた山田順一さんの著作です。
山田さんは、私とは同年齢の方ですが「癌」でお亡くなりになられました。
私が益子で作成した「南天の皿」を差し上げ、自分が作る「男の料理」を盛るための陶芸だと説明したところ、ご勤務先の機関誌に掲載されていた「味覚歳時記」をくだされ、“西澤さんの「男の料理レシピ」と組み合わせると面白いですね”とおっしゃってくださいました。
このたび、ブログ作成ができるようになり「男の料理レシピ」を投稿するにあたり、奥様のご了解をいただいて宿願を果たせるようになりました。
しかし、「味覚歳時記」の格調があまりにも高いため「男の料理レシピ」との組み合わせが難しく、先ずは「味覚歳時記」が“先行”してもらいます。
とってつけたように、「男の料理レシピ」を添付させます。
天国で、山田さんが苦笑なさっておられることでしょう。
「味覚歳時記」
《一つ鍋》
 寒風吹き荒ぶ冬籠りの日々には、「鍋料理」で暖かい湯気に安らぎを見出すところです。
 煮るということは、調理の基本動作ですから、会食者の調理への参加意識が、一座に共感と賑わいをつくり出すものです。
 尤も、調理士の側からは、本質的に、下地やタレの調製が味の差の全てとなり、工夫をこらすところです。
 例えば、関東では、スキヤキ(牛鍋)のタレとして、醤油に味醂や清酒、砂糖等を加えて煮立てたのに出し汁を合わせた、お蕎麦屋さんのいう本返しの手法による「割り下地」を用いますが、これに牛乳を添加すると、牛肉の脂とは異種の乳脂肪分が出会い、また、乳蛋白質も醤油アミノ酸とは味の共鳴効果があるらしく、格段に美味しさが増します。
 是非、お試しを。
 「鍋」といえば、今ではもう普く世に知られた大阪の名物、うどんのチリ鍋、通称「うどんスキ」は、要するに、大がかりな煮込みうどんの類であります。
 昆布だしの利いた薄口醤油仕立てのつゆを、たっぷりと使った旨味が身上です。
 鍋は、鉄製では、汁が濁るので、土鍋かステンレス製を用います。
 通常、煮込みの具には、鶏肉や白身の魚、蛤、焼き穴子、雁擬き、生麩、生湯葉、生椎茸、蒲鉾、三つ葉、それに茹でた白菜、人参、ほうれん草、小松菜、若布、莢豌豆等々、また、座興に生きた車海老を添えたりします。
 要は、煮込みうどんですから、煮続けてもとろけない腰の強いうどんが必要です。
 市販品では間に合いにくいので、自分で手打ちをやるのが一番です。
 強いうどんは、通常パン小麦粉(強力粉)と薄力粉を半量ずつ位まぜ合わせて、塩水でよくこね、太めに打ち上げるのですが、うまくいかない場合は、卵白を入れるとよいかと思います。
 茹で卵子の白身が、お湯に溶けない原理の応用ですから、これで大丈夫です。
 この冬は、「うどんすき」をどうぞ。
「男の料理レシピ」
《相撲部屋風 うどんすきちゃんこ》
 (材料)5人分
 うどん       5人前                
 鳥もも肉     800グラム             
 鱈         切身2~3枚            
 豆腐       2丁
 白菜       5枚
 長葱       1本
 椎茸       5枚
 ニラ       1束
 えのき茸    少々
 薄口醤油    適量
 (作り方)
 ① 大きめの鍋で湯をわかし、かつお節をたっぷり入れて、沸騰させる。
 ② かつお節は湯が十分に沸騰したら、穴あきのおたまで全部取り除く。
 ③ 薄口醤油を適当に入れる。(好みで量を加減)
 ④ 塩、酒を少々入れると味が濃くなる。
 ⑤ 鳥のもも肉は細かく(うずらの卵位の大きさ)に切る。
 ⑥ 具の野菜は好みの大きさに切る。
 ⑦ 鱈は一切れを三つ位に切る。
 ⑧ 味のついた鍋の中に具を入れて煮る。
   煮上がったら出来上がりだが、うどんは後から入れた方が良い。

《作成後の感想》
 「味覚歳時記」は、いただいた直後、読ましていただきその造詣の深さに感嘆いたしましたが、今、このようなかたち抜粋させていただくと“並みの方”ではなかったなと早世されたことが惜しまれてなりません。
 改めて、ご冥福を祈る次第です。